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珍蔵寺の紅葉:鶴の恩返しへ想いを馳せる黄紅の絨毯

 
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第1回・第2回CLIP山形編集長選抜総選挙1位、JRRC日本ラーメンライス評議会会長、JUA日本鰻重協会会長、全国いが餅選手権大会代表理事会長。 自称フランス人

南陽市赤湯から車で北西に向かって約10分、民話「鶴の恩返し」が語り継がれ、紅葉が美しいお寺さんにやってきた。

行き方

車が最も楽。

最も近い駅はフラワー長井線の「おりはた駅」で、赤湯駅から2駅。駅で降りてから徒歩7~8分程度となる。

近くに駐車場があり、向かって行くと間もなく紅葉に囲まれた紅い階段が見えてくる。

11月上旬となればピークで、県内の紅葉では遅い方になり、最後のシメとして相応しいかもしれない。

桜の時期に多くの鑑賞客が訪れる同じ南陽市の烏帽子山の紅葉は、すでに終わっている時期になる。

鶴の恩返し

入り口付近は赤く染まり、紅色の絨毯を上がっていく。

かつては民話「鶴の恩返し」で鶴を助けた本人の名から「金蔵寺」だったのが、宝物が由来の珍蔵寺(ちんぞうじ)と改めて現在に至る。

物語の最後、約束を破って中を覗いてしまい、若い女性に姿を変えた鶴の正体を見た事を悔やんで出家し、この寺を開山したという云い伝えがある。

古くから名刹として知られ、梵鐘には鶴の恩返しが描かれており、全体に曹洞宗の雰囲気が漂う。

現在でも、この辺り(漆山地区)には、鶴巻田、羽付、織機川などの鶴の恩返しにちなむ地名が残されている。

珍蔵寺境内

階段をのぼり、右をむくと山門があり秋の趣を醸し出していた。

その奥には大きなイチョウの木があり、多くが散って一面黄色を形成していた。

足を踏み入れると汚れてしまいそうで慎重に歩いていたら、近所のおじいさんらしき人が何気なく踏み歩いて撮影を楽しんでいた。

境内に散るイチョウは見る者を魅了し、鶴に恩返しされたような黄色い絨毯の上で子どもがはしゃぐ。

この日見かけた人はカメラマンのおじいさんと、子連れの親子二人のみ。

おじいさんから子供に目を移すと時の流れを感じ、空虚な我を想う。

静かに紅葉は散り続け、染まり続けるキャンパスはそれを優しく受け入れている。

ゆっくりと時間をさかのぼり、鶴の恩返しへ想いを馳せる。

進む時間に抵抗する術はなく、過去に生きる日本人らしさに共感するだろう。

何言ってるかわかんなくなってきたから、今回はこのへんで。

名称 鶴布山珍蔵寺(かくふざんちんぞうじ)
見頃 10月下旬~11月上旬
規模感 ☆☆中
料金 無料
駐車場 あり
問合せTEL 0238-47-2264
アクセス 赤湯駅から車で約10分
所在地 南陽市漆山1747−1

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