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千利庵:丸抜きの白い蕎麦は田舎蕎麦とは違った上品な味を提供するお店だった

 
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第1回・第2回CLIP山形編集長選抜総選挙1位、JRRC日本ラーメンライス評議会会長、JUA日本鰻重協会会長、全国いが餅選手権大会代表理事会長。 自称フランス人

なんとなく暑かったから蕎麦にしたくなった。

基本情報

店名千利庵(せんりあん)
ジャンル:そば
TEL:0238-87-2087
営業時間:11:00~14:00
定休日:水曜日
駐車場:あり
予算:~999円
住所:山形県西置賜郡白鷹町広野1656

アクセス

荒砥駅から車で10分弱、国道287号線から最上川方面に入った集落の中に佇んでいる。

静かな住宅地で、はじめは外観がわかりにくいかもしれないが地図通りで問題なく、駐車場の奥に蕎麦屋があった。

古民家

畳敷きの広い店内に囲炉裏が2つあり、かつて養蚕をしていたという家屋を一部改装したという。

古民家かそうでないかは知らないが、独特の雰囲気の中でいただける。

メニュー

もりそば 800円

おかわり 1皿 400円

と壁に貼り紙がしてある。

以上

潔い。

もりそば

もりそばのみ、という潔さには自信が伺える。

福島県の旧山都町産の蕎麦粉を使用し、つなぎ無しの10割蕎麦となっている。

10割というと所謂「田舎そば」を想像してしまう山形人の悪いクセがあるけど、見た目は白くて全く違う。

田舎そばのボソボソした感じがなく、えぐみがなく、上品な味に仕上がっている。

※旧山都町は山形県の飯豊町や小国町と隣接し、飯豊連峰の山頂付近にあり町域のほとんどが山というとんでもないところ。現在は合併されて喜多方市の一部となった。

つゆ

蕎麦つゆはアゴ(飛魚)、鰹節、昆布の出汁を使っている。ありがちな単調なものではなく、奥深くて変なクセはない。

薬味として葱、わさび、漬物、日替わりの一品が付く。この日は半熟の煮卵だった。

千利庵の蕎麦製法について

ちょっとピンボケ

丸ぬき

「挽き割り」と違い、玄そばを割らず、そのままの状態で殻だけを取り除く。

そば殻の混入がないため、色は白っぽい。でんぷん質が多くえぐみも少なく、上品な味の理由はそれだった。

丸挽き(挽きぐるみ)

一般的に、一番粉から三番粉もしくは四番粉まで全てを挽き込んだ粉を指す。二番粉の事を挽きぐるみと呼称する人もいるけど、たぶん違う。

千利庵は丸ぬきにして、そのほとんどを製粉していると思われる。

蕎麦麺の表面がなめらかでツルツルとしたのど越しになり、香りが口の中に爽やかに広がるので、つゆなしで食べる人がいるのも理解できる。

石臼挽き

機械(ロール)挽きと違い、効率は落ちるものの熱が発生しにくい。蕎麦は熱に弱く、製粉時に熱が発生すると風味が飛んで香り高いそば粉にならないとされる。

時間をかけて製粉し、風味や香りを損なわずに蕎麦本来のおいしさを確保できる。

※最近は冷却式ロール挽きなどあるらしい。

おわりに

村山や大石田にありがちな田舎そばもいいけど、「丸ぬき」の蕎麦はとても上品で香り高いものだった。

貴重なお店なのでベンチマークしておきましょう。

さて、温泉でも入って帰るか。

鷹野湯温泉 パレス松風

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