山形国際ドキュメンタリー映画祭:感動をもっと多くの人と共有したい
山形市の市制100周年記念行事として、当時上山市に移住して活動していた小川紳介監督の提唱によってアジア初の国際ドキュメンタリー映画祭が開催されました。
地方でドキュメンタリーに絞ってコンペティションを行う、というのは画期的なものでした。
それから2年に1回のペースで小川エッセンスが注入された映画祭は続き、世界三大ドキュメンタリー映画祭に数えられるほどになり、検閲にド反発するなりして評価され、成長しています。
1992年に小川監督は亡くなりましたが、1993年から若いアジアのドキュメンタリストたちを励ます賞として、小川紳介賞(アジア千波万波)が設立されています。
山形市は第1回から9回まで主催していましたが、映画祭は独立してNPO法人となるのに伴い第10回以降は共催となっています。
山形CLIP編集長は2003年の映画祭に初めて訪れ、当時は沖縄特集がありました。戦中戦後に撮影された言葉にできない激しい映像と、上映後会場で開催された沖縄民謡ライブのコントラストに心を奪われました。
それからというもの、映画祭になると狂ったように通い詰めになります。当時から大勢のボランティアスタッフが働き、とても親切でした。この人たちは疲れないのか?という疑問は今だにあります。
2003年の大賞は「鉄西区」(監督:王兵(ワン・ビン)/中国)で、上映時間は9時間に及ぶものでした。最初の2時間は辛かったのですが、後半は意外にもすんなり観賞できました。
2003年は有名監督も多く来県し、日本人では審査員として河瀬直美、高嶺剛の両氏、シンポジウムで原一男監督を目撃しました。
当時は日本一面白い映画「ゆきゆきて、神軍」をはじめて観た直後だったので、異常に興奮したのを記憶しています。
原監督は2017年にインターナショナル・コンペティションに出品し、再度来県されています。
※現在、開催中!
映画祭は拡大を続け、2017年は1,791本、128の国と地域からの応募がありました。イベントは食べきれないほど多すぎて、コンペティション部門「インターナショナル・コンペティション」と「アジア千波万波」のほか、日本のドキュメンタリー作品の試みを世界に紹介する「日本プログラム」、撮影、編集途上にあるプロジェクトを公募、ラフカット(粗編集版)の上映と公開対話を行い、より豊かな映画の誕生を模索する「ヤマガタ・ラフカット!」、2011年3月11日の東日本大震災による津波や原発事故という未曾有の経験と課題を見つめていくプログラム「ともにある Cinema with Us」、その他その倍くらいのイベントが企画上映されます。インターナショナル・コンペティションでさえ、すべてを観賞するのは楽ではないのに・・・
開催日は10月の連休に合わせる日程になりがちなので、県内多くのイベントと重なります。近くでは豊烈神社例大祭があり、山形市中央公民館付近を神輿が通って街中がお祭り気分になります。
地域に密着し、地域が協力し、もの凄い人数のボランティアが働き、監督と観客の距離が近く、いろんな場面で感動に遭遇します。
山形CLIPとしては、この映画祭の感動をもっと多くの人と共有したいのです。
名称 | 山形国際ドキュメンタリー映画祭 (やまがたこくさいどきゅめんたりーえいがさい) |
URL | https://www.yidff.jp |
開催時期 | 隔年(奇数年)の10月 |
開催時間 | 10:00~21:00頃 |
規模感 | ☆☆☆(大) |
料金 | 1回券:1,100円(当日1,300円、シニア1,100円) 3回券:2,700円(当日3,200円) 10回券:6,500円(当日9,000円) フリーパス:1,100円(当日13,000円)公式カタログ無料券付き 高校生以下無料 |
駐車場 | なし |
問合せTEL | 023-666-4480/山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局 |
アクセス | 山形駅からバスで「山形~寒河江線6分」(山形市中央公民館)ほか |
開催地 | 山形市中央公民館ホール(6F) 山形市民会館大ホール 山形市民会館小ホール フォーラム 山形美術館 KUGURU(とんがりビル1F) 旧西村写真館など |