YIDFF2017:山形国際ドキュメンタリー映画祭2017を終えて、予想と結果
今回ははじめて映画祭をひたすらツイッターで呟きました。
中秋の名月の翌日2017年10月5日、空は「月暈(つきがさ、げつうん)」でした。
月のまわりにリング
なう pic.twitter.com/KYbT0T8vO7— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月5日
映画祭に入り浸りなので記事の更新は難しいかも
— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月6日
5日は開会式があって、オープニング上映の「西陣」など3作品が上映されました。
続く6日
明日は「アウトレイジ最終章」公開初日ですが、そこはこらえて山形映画祭の「ニッポン国vs泉南石綿村」を観ましょう。
13時15分から山形市民会館大ホールにて#yidff2017— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月6日
いよいよ明日(7日)、山形での映画祭で初上映です。
果たして観客の皆さんの反応がどう出るか、不安でドキドキ、とても今夜は眠れそうにありません。
こう見えて気が小さいんです。
「泉南原告団+弁護団」から15名、山形に駆けつけてくださってます。
盛り上がって欲しいんですよね❗️ https://t.co/iylzOYDcAf— 原一男 (@kazu19451) 2017年10月6日
初日から疲労感凄かったです。
また今日も映画祭・・・合宿みたいになってきた。半日いればそりゃ疲れるけど、心地よくなる。#yidff2017
— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月6日
映画「ゆきゆきて神軍」Tシャツが売っています。
これを着て海に行きたい。#ゆきゆきて神軍 pic.twitter.com/U73yv4wuaz— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月7日
原一男監督にリツイートしていただいたりしている。興奮する。
間もなく上映「ニッポン国vs泉南石綿村」
約4時間弱の映画です。#原一男 監督に声をかける勇気はありません。#yidff2017— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月7日
この映画、強烈すぎた・・・
— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月7日
映画「 #ニッポン国VS泉南石綿村 」
官僚へ詰め寄るシーンに #奥崎謙三 を思い出した。
出演する人は普通の人なので「お前らロボットみたいな顔しやがって」などとは言わない。が、思ってる。
Googleで奥崎謙三を検索すると俳優と紹介されている(*_*)#yidff2017— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月7日
7日と8日は疲労困憊で他人のツイートにいいねをしているだけ。
続く9日
台湾から映画祭に来ていた人に道をたずねられたので、超丁寧に案内しました。
私が台湾で同じ事をしてもらったからです。
こういうのはいつまでも記憶しているものです。
あ、記憶されてるのかな・・・#yidff2017— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月9日
流暢な日本語でたずねられたので、日本語で対応しました。台湾では、日本語で案内してもらいました(^ω^)
— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月10日
どっちも日本語じゃねぇか。
映画祭が終わりに近づいています。
朝から晩まで映画漬けで疲れたけど、心地いい。
明日は表彰式。予想不能だけど、予想してみるかな。#yidff2017— 山形CLIP@武田編集長 (@yamagataclip) 2017年10月10日
今回はインターナショナル・コンペティションしか観ていません。観た作品をピックアップしてみます。
カラブリア
スイスの葬儀会社で働くジョバンとジョゼは、ある遺体を霊柩車でイタリア・カラブリア州まで移送する。
※コテコテなロードムービー。奇を衒わず、シンプルなショットを連続する。娯楽として楽しめるので市民賞に投票した人多いかも。
エクス・リブリス ― ニューヨーク公共図書館
フレデリック・ワイズマンがやってきたと話題になっていて、今回は205分の上映時間となる。ニューヨークの図書館を軽いタッチで撮影していく。
※ドキュメンタリーだからって重いテーマとは限らない。図書館のあらゆる試みを映し出し、これがアメリカなのだなぁと理解する。
自我との奇妙な恋
監督自身「エゴ・ドキュメンタリー」というように、私的に迫っていく。監督の姉は自信家で憧れの存在でもあった。自己愛に満ちた姉だったが、最後は自殺してしまう。
※劇映画にとって物語はどうでもいいと思いますが、ドキュメンタリーとしてはどっちの方向もアリだなと思います。
ニッポン国VS泉南石綿村
日本一面白い映画「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督による久々の新作。アスベスト疾患の責任を求めて、工場の元労働者と家族、周辺住民らが国家賠償請求訴訟を起こす。最高裁判決の8年間を記録していく最中、原告は次々と亡くなっていく。
※原監督のこれまでの映画と違い、普通の人たちが映される。上映時間215分はあっという間に終わるなんて、観てない人には信じられないだろう。感情の原告、法律の弁護士、ロボットのような官僚、いい加減な政治家、一番バランスがとれているのは監督かもしれない。
願いと揺らぎ
東日本大震災による未曾有の地震と津波に襲われた宮城県南三陸町の波伝谷に暮らす人々の、被災後の姿を追いながら伝統行事の「お獅子さま」復活の過程をめぐって描き出す。
※内容はわかりやすくて観ていて夢中になる。隣の県で他人事とは思えない山形県人は多いだろうし、お客も多かった。
また一年
中国のとある出稼ぎ労働者家庭における食卓風景を13ヶ月の章立てにより描き出す。
※かつて王兵(ワン・ビン)監督の「鳳鳴(フォンミン) 中国の記憶」だったと思うが、固定カメラをひたすら長廻しにしたのを思い出す。長廻しだからこそのリアル感というのが存在する。
ドンキー・ホーテ
73歳のじいさんがスペインからアメリカへ、ロバと犬と共に壮大な旅を計画する。
※カラブリアと同じく、コテコテのロードムービー。ロードムービーにしてしまうと、その型から逸脱するのは難しい。中央から縦に二等分する構図が多く、右半分がロバの顔面アップだったりするのは、特に意味があるとは思えない。観客は多く、笑いは絶えなかったので市民賞かもしれない。お客はどうやって情報を仕入れているのだろうか・・・
カーキ色の記憶
監督の知人4人が登場し、故郷に対する思いを抑圧的なカーキ色や、暴力的な赤色を彷彿させる。
※バッチリ決まった構図の映像は奇跡的に綺麗で、証言の合間に映し出される短めショットの連続は観る者を独自の世界へ引きずり込む。爆撃機から放たれる爆弾が街の中に落ち、目の前が煙で覆われるのは現実なのだ。
オラとニコデムの家
酒飲みの父親と自閉症の13歳の弟と、離れて暮らす母親の面倒を見るのは14歳の少女オラだった。娘に頼りきりの情けない親が露呈する。
※13歳の弟をひたすら面倒をみる少女に何人が涙しただろうか。時々発狂するほどの状態になる少女に、親は手を差し伸べられない。少女の叫びの映画。
私はあなたのニグロではない
ジェームズ・ボールドウィンの未完の原稿「Remember This House」をもとに、メドガー・エヴェース、マルコムX、マーティン・ルーサー・キングの記録映像を織り込みながら、黒人差別の本質を掘り起こす。ナレーションはなんと「サミュエル・L・ジャクソン」が務めている。
※白黒のコントラストでアメリカっぽいスタイリッシュな演出をする。監督が不在で質疑応答はなかったが、もしあったとしたら日本人はどんな質問をするのだろうか。
■その他の作品は異常に疲れていてあまり覚えてないか、観てないです。
予想
全部見ていないのに編集長の勝手な感想と予想です。
追記:赤字は結果です。
ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
ニッポン国VS泉南石綿村
■『オラとニコデムの家』
山形市長賞(最優秀賞)
カーキ色の記憶
■『カーキ色の記憶』
優秀賞
オラとニコデムの家
私はあなたのニグロではない
■『孤独な存在』
■『私はあなたのニグロではない』
特別賞
願いと揺らぎ
■『激情の時』
市民賞
ドンキー・ホーテ
■『ニッポン国VS泉南石綿村』
終わって
毎度のことながら本当に疲れた。栄養剤を何度飲んだかわからない。次回はこれが課題になりそう。
ただ、帰りの景色は綺麗だった。
名称 | 山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 (やまがたこくさいどきゅめんたりーえいがさい) |
URL | https://www.yidff.jp |
開催時期 | 隔年(奇数年)の10月 |
開催時間 | 10:00~21:00頃 |
規模感 | ☆☆☆(大) |
料金 | 1回券:1,100円(当日1,300円、シニア1,100円) 3回券:2,700円(当日3,200円) 10回券:6,500円(当日9,000円) フリーパス:1,100円(当日13,000円)公式カタログ無料券付き 高校生以下無料 |
駐車場 | なし |
問合せTEL | 023-666-4480/山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局 |
アクセス | 山形駅からバスで「山形~寒河江線6分」(山形市中央公民館)ほか |
開催地 | 山形市中央公民館ホール(6F) 山形市民会館大ホール 山形市民会館小ホール フォーラム 山形美術館 KUGURU(とんがりビル1F) 旧西村写真館など |