そば処 伊藤屋=天童最古の蕎麦屋から考える日本の蕎麦系譜
天童駅東口を出て信号を右に曲がるとすぐ、「そば処 伊藤屋」があります。
天童最古の蕎麦屋
嘉永3年(1850年)創業で、天童で最も歴史がある。現在の店主はなんと7代目で、8代目が跡を継いでいる。店の奥には築100年以上の蔵座敷があり、会食や宴会で利用される。※2019年現在は八代目が店主だそうです。
嘉永3年って・・・江戸時代で将軍が徳川家慶から徳川家定に変わった頃、とレキジョに説明されましたが、さっぱりわからないと伝えると孝明天皇の頃、とわかる人にしかわからない説明をされます。
1850年は世界的に大きな出来事があるわけではなく、国内でもコレといった出来事がないらしく、3年後にペリーが来航した幕末の頃です。
その頃の写真があり、こちらで紹介されています。凄い!
※サイト削除されました。
老舗蕎麦店の系統
系譜は砂場系、更科系、藪系、一茶庵系の四系統に分類される。
砂場系
発祥は豊臣秀吉の大阪城築城の頃が通説なので1580年代の大阪。工事用の砂置き場の近所に蕎麦屋ができたことから、砂場と呼ばれるようになった。1750年代に東京へ進出して現在でも「砂場」の暖簾を見かけるが、大阪で砂場は消滅したとされる。一番粉を使用し、白くて細い麺、やや甘めの汁が特徴。
更科系
寛政元年(1789年)、信濃布の行商をしていた清右衛門が麻布永坂高稲荷下に「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」の看板を掲げたのが発祥。いつの間にかお客が省略して更科と呼ぶようになった。特徴は麺が細くて汁によく絡むので、薄くて甘い汁が合う。
藪系
江戸時代中期、蕎麦屋の近くに竹藪が多いことから「やぶ」と呼ばれるようになった。三番粉なので 風味が強い甘皮が多く挽き込まれて香り高く、更科に比べると麺が黒い。しかし、汁にどっぷり浸けると特徴が失われるので、ちょっとだけ浸ける。その分、汁が辛くなったのではないだろうか。粋な江戸っ子はちょっとだけ汁に浸けて、音をたててすすっていたに違いない。
一茶庵系
江戸蕎麦の概念に当てはめてよいのか考えてしまいますが、1926年に江戸蕎麦の伝統を復活させようと、片倉康雄(友蕎子)が新宿で「一茶庵」を開業したのが発祥。独学で学んだあと、多くの弟子にノウハウを惜しげもなく披露して広まっていった。現在の一茶庵系は系譜の概念にとらわれておらず、特徴という言い方はできない。
完全に話がそれました。伊藤屋は藪系二八そばのようです。
ざるそばランチ(864円)
いなり寿司2個、ゲソ唐揚げ付き。天ぷらではなく、から揚げ。
麺のカタさ、風味、汁の濃さなどトータルでバランスがいい。
八代目の肉つけ蕎麦(880円)
つけ麺ならぬ「つけ蕎麦」は最近耳にするようになったが、一線を画して豚バラ肉がのせてある。コレが絶品で見た目豚丼のようだが下に蕎麦が隠れていた。タレは甘くてラー油が入っている。
辛みそとネギとたくあんでワンセット。
※すべて税込み価格(2019年3月現在)
店名 | そば処 伊藤屋(そばどころ いとうや) |
ジャンル | そば |
TEL | 023-653-2079 |
営業時間 | 11:00~21:00 |
定休日 | 月曜日(不定休) |
駐車場 | あり |
予算 | ~999円 |
住所 | 山形県天童市三日町1-5-30 |