CLIP山形映画祭2026
今年は日本映画多めに観ようと思ったりしたのだが。
ノミネート作品
というか観た映画。忙しくて思ったより観てない。
サンセット・サンライズ

田舎者への偏見、あるいは田舎者が持つ東京人への偏見、あるいは偏見ということにした演出、あらゆる角度からの偏見を楽しめばいいという映画なんだろうか。
雪の花 ―ともに在りて―

話が面白いから最後まで観ていられる。という映画ではあるが。。。
室町無頼

VFXかなり使っているので、観ていて萎える。物語はチープで、大きな太陽を背に歩くシーンはもはやギャグである。
ゆきてかへらぬ

独特の間合いでセリフ回しが続いていく。どうせならセリフのすべてを詩で固めたらいいのにと思うが、それはかつてのゴダールみたいでダメかな。
敵

フィルムのようなモノクロ風合がとてもよくて、ソフトなトーンのようでコントラストが強い。話の内容は、現実と夢が交差して境目が曖昧になる、というありがちな演出ではある。
ミッキー17

いつか訪れる未来の話で、あり得なくも無さそうだけどないだろう内容が続き、途中で飽きる。
ANORA アノーラ

ドタバタ喜劇のようなスピード感ある展開が続いていき、それが飽きることなく観客を楽しませる。主人公のアノーラはとても下品なのだが、これは下品な役を演じるというより元から品がない人間だと思う。そもそも女優なんて品のない仕事なのだけど。
Broken Rage(Amazon Prime)

いろいろ酷評する人がいるけど、これは映画ではない。そもそも劇場で公開するものではないから、観客はテレビやスマホで観るという前提の演出になっていて、後半はテレビのコントみたいだった。それをコメディ映画と勘違いして批判する人がいるけど、それは全く違う。錦鯉の雅紀さん面白かったなぁ、出てきた瞬間から面白かった。
レイブンズ

芸術家だから普通の人と違うだの、特別な生き方だのと云うのは間違っている。元からのダメ人間が芸術やってることもある。芸術に対する関心が低いために、そっち系の人を特別視する人は多い。芸大出たくらいで騒いでどうする。内容的には真新しさはなく、割と古いやり口が目立つ。女優がちゃんと脱がないというか、見せない演出ってどうなんだろう。それだったらそんなシーンいらないとか思う。
かなさんどー

時間軸ずらしたりして、なんだかセコい作りだった。感動させる映画なんだからもっと普通でもよかったのに。監督はガレッジセールのゴリだった。松本人志より才能ある。
光る川

チープな内容で特筆する演出はないが、主演の色気あるしっとりとした感じはよかった。今も昔も親が子供をダメにする構図は変わっていない。
ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン

映画かと思いきやNetflix製作のデジタル配信ドラマだろうか。内容的には単なる金儲けの手段としての作品でしかない。「映画館なんていらない」とか言ってるスマホどっぷり現代っ子には、劇場公開に拘る映画人を理解するのは難しいだろう。スマホで映画を観る人が増えると映画は衰退するだろうし、少なくとも芸術的発展はない。スマホで観たら映画ではなくなるのだ。
教皇選挙

捨てカット的に本筋と必ずしも関連しない、構図だけこだわったショットを連発したりする。無駄といえば無駄で、選挙の裏側の腹黒い部分と対比するようにすら感じるが、そこに何か意味があるとは思えない。
リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界

前述の教皇選挙とは真逆で、無駄なカットが一切ない。すべてのカメラワークにこだわりをみせながら、最後まで貫く。映画にとって“物語は芸術になりえない”が、重要性はある。ただし、ありきたりな回想形式はどうかと思う。
そして、アイヌ

普通のドキュメンタリー
ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング

久々に爆睡した。ほとんど覚えていないが、絶賛している人もいるようだ。ほとんどカメラに気を遣わず適当に撮っているとしか思えなかったし、観ていられなかった。単に金を稼ぐための客呼び映画。
今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は

ラストシーンの頃にある、河合優実の顔面ドアップ長回しのショットに女優の凄みをみた。普通に考えたら観客はこの時間に耐えられないであろうが、いくらでも耐えられるのだ。
バッドランズ

テレンス・マリックの新作かと思ったら1973年の「地獄の逃避行」リバイバルだった。わざわざ観るかよと思ったけど、アマプラでもU-NEXTでもNetflixでもやってないから観た。親父を殺した男と恋愛する女という謎すぎる設定で始まり、出会う人を片っ端から殺していく危ない話、と思ったら実際に起きた事件を元にしていた。基本的にはロードムービーでしかない。
ドライブ・イン・マンハッタン

完全に二人芝居だけで100分もたせる。映画的にどうとか、芸術だとかいうのは捨ててから始まっているのではないか。今まで何とも思わなかったダコタ・ジョンソンが妙に綺麗に映ってみえる。ラストのお金のやりとりは日本人には理解が難しい。
国宝

本業の歌舞伎役者からすれば付け焼刃というのはその通りだろうが、ほとんどの人はそれを知らないし、そもそもどうでもいい。役者とスタッフの映画に賭ける情熱がシンクロする凄まじい映画になったのは、まるで「さらば、わが愛/覇王別姫」のようだった。それは物語が似てるという意味ではない。
吉沢亮の繊細でシリアスでどこか儚い、恐怖感すら感じる熱演に、観客は感服するだろう。
シンシン/SING SING

手持ちカメラっぽく絶えず動き続けるカメラワークはドキュメンタリーのようで、リアリティーを演出するのかと思いきや固定カメラで普通に演じる場面もある、なんだか妙な映画だった。元服役囚を起用するのは国内ではあり得ないだろうが、国際的にはあらゆる面で特殊という事に気が付かない村社会大国、それが日本。
無名の人生

アニメーションの作りが荒いのは、わざとなのか何なのか。表情のない登場人物に人間性はまるで感じない。素人臭さを感じさせといて、実は違うよ的なことなのか。よくわからないシーンもあるし、映像に詳しい人がみればアートとして成立しているということなのか?
フロントライン

既述の「無名の人生」と違って、映画にとって物語は大切なのだと実感する。わかりやすいし、130分間一切の贅肉がなく一気に観られる。震災を実感した東北の人間として、マスコミ不信は相当なものだし批判的な目線は大いに結構だと思う。SNS見てるとマスコミに批判的な姿勢をみせながら報道に振り回されてる変な人は多い。
F1/エフワン

ストレートなわかりやすい娯楽物語。とにかく金のかかった映画で、290億円もしたんだから制作のアップルも大変だ。AppleTVとかiPhone周辺機器があるので映画製作をしているものと思われるが、Netflixみたいな会社にはかなわないだろう。
ノー・アザー・ランド 故郷は他にない

いろいろ賞を受賞しているらしいけど、映画として新しい試みがあったわけではなく内容的なことだろうし、劇映画ではないが故にそれが評価される面はあるかな。
秋が来るとき

なんてことない普通の映画のようで、実はそうでもない。静かな映画のようで、動的な部分も垣間見え、サスペンスのようだけど、そんな訳ない。洗練されたベテラン監督が丁寧に描いた職人のような映画。
木の上の軍隊

役作りの努力はしたのだろうけど、演出はシリアスではなくまったりした感じ。既述の国宝と違い、役者とスタッフの熱量に乖離を感じる。映画会社は稼がなきゃいけないだろうし、ある意味仕方ないけど残念でもある。
それでも私は Though I’m His Daughter

いろいろと怖い。日本の村社会も怖い。また、監督の目線は一方的なものでしかない。
雪風 YUKIKAZE

今年は戦後80年だけあって、戦争映画は多いのだけれど・・・やはり映画会社は客入れなきゃしょうがないのでこういう普通の映画になる。とてもチープで突出したものがなく、予想通りに終わる。中井貴一は“ほいけんた”に似ている。


私たちが光と想うすべて

2023年の山形国際ドキュメンタリー映画祭は事情で観に行くことができなかったが、同映画祭で大賞を受賞した監督ということで鑑賞することにした。この映画もテーマに近似性はあり、女性目線なのが伝わる。これからのアジア経済を引っ張るのは日本かインドだろうけど、インド社会はこれからの時代と共に変わっていくのだろうか。
宝島

3時間は長い。ギャーギャー叫んでばかりでうるさい。クラシカルな映像にしたいのか不明だが、変な色。
遠い山なみの光

謎の女がでてきて、その娘もまた謎で、謎の展開が起き、最後に種明かしがある。原作が古いせいか古いやり口なので、今更感が否めない。古い時代を演出しようとするのか、前述の「宝島」同様、色彩に違和感があり、無理にカメラの絞りを開放しているために生じる背景ボケの違和感もある。たぶん、コダクロームっぽいクラシカルな表現を意図するが、現代のカメラなので描写力が高いのかな。
その花は夜に咲く

ベトナム映画は久しぶりで、「青いパパイヤの香り」以来だろうか。日本ならガキ向けのピュアラブストーリーにでも仕上げそうな設定だけど、そうではない。それがちょっと複雑というか、そもそも理解できない・・・普通に考えたら無茶苦茶だと思うが・・・
役も自身もトランスジェンダーであるチャン・クアンはデビュー作とは思えない熱演で、それがすべてとも云えるし、観終わってからしばらく余韻が冷めやらぬ具合で参ってしまった。
港のひかり

昭和を意識した漫画みたいな物語で、老夫婦が観に来るような映画。ヤクザに見えない役者は多く、特に斎藤工は笑ってしまう。
秒速5センチメートル

ギリギリ白飛びしない逆光が連発したり、明かりがソフトフィルターをかけてフワッとした感じというか映画っぽい感じというか、フィルムライクな感じというかフィルムだったりしてとか思いつつ、どこかノスタルジックさを感じさせる効果なのだろうか。
役者の存在感は前面に出さず、一定の距離を感じる。でも、芝居が上手すぎる子役の白山乃愛だけは違う。
そういう経験ってあるよね的なすれ違い場面が連発し、多くの人はそれを気にせず生きているんだろうと思ったりする。よほどモテないやつは違うか。
ジェイ・ケリー

ネットフリックス映画だけに、最初からスマホ向けに作っている感があり、テンポは速いし展開も早い。サブスクで映画に貢献はしているかもしれないが、芸術的な進化は止まっている。と、個人的には思うのだが、映画を観る人が増える分にはいいのかなぁ・・・ただ、このままだとネットフリックスというだけで観にいかなくなる人が出てくるし、映画館はダサいという奴まで現れるだろう。
ペリリュー 楽園のゲルニカ

アニメってよくわからないけど実写カメラのようにボケ感を出したりしているのは、アニメでも違和感出ないようにするためだろうか。戦闘機の周囲を移動しながらドローンで撮影したかのように描けるのは実写だと難しいだろうし、やはりアニメならではの表現を期待してしまう。人物を親しみやすく可愛らしいビジュアルにする一方で、バタバタ人が殺され凄惨な描写がいつまでも続いていく。
長崎 -閃光の影で-

限られた予算の中で撮影された、という印象がある。それより、作品を完成させるべく関係者がこの映画に賭けた、というのが伝わってくる。特に主役級3人の情熱は、観ているだけで泣けてくる。
War Bride 91歳の戦争花嫁

TBSで2022年12月に放送されたドキュメンタリーの劇場公開版、ということらしい。なので、映画っぽくなくてテレビを見ているようだった。テレビドラマの劇場版とかいう類のくだらない映画はよくあるけど、それのドキュメンタリー版ってとこか。
片思い世界

片思いの謎が徐々に解かれていくというか、まぁそんな感じの映画。
Black Box Diaries

日本の司法が腐っているのは多くの人が知る話だが、本作についてのそれは置いといて…無許可使用問題って大したことないのに、今の日本だとこうなるのか…と思ったりする。メディアの報道は金儲けするために動いているとしか思えない。新聞記者にはある意味騙されたと思う。これら議論についてはこの意見に同意する↓
ボディビルダー

前回のCLIP山形映画祭2024で「クリード 過去の逆襲」に出演したジョナサン・メジャースを絶賛していたが、今回主演を務めることになった。よく「タクシードライバー」と比較されるようだが、こちらの方はよっぽどキモい。できればラストは大暴れしてほしかったが、そうはならなかった。オレンジ色と青緑色の光が多用され、孤独な男の性格を強調しているようだった。
金猫賞 Chat d’Or (グランプリ)
国宝
2025年はセコい作品が多かったように思う。あとは…これほどの映画なら賞あげるしかないか、という感じ。

主演俳優賞
チャン・クアン
衝撃的デビューだった。

ベストバウト賞(ボクシング)
堤聖也 vs ノニト・ドネア
ダウン寸前まで追い込まれた堤だったが、最後まで死闘を展開しての判定勝利であった。この戦い方を続けるとさすがに心配になる。試合翌日のインタビューは輪島功一みたいな顔になっていた。

なんとなくあげる賞
松本人志
昨年に引き続き、2冠。サブスクは飽きそうなので、違う展開を望む。

CLIP山形賞
渡邊渚
がんばって。

日本芸能大賞
河合優実
引き続き、このブッ飛んだ女優を見続けたい。

最後に
疲れた